賃貸住宅と借主負担の軽微な修理

2023/10/17

戸建てマンション

先日、とある物件の入居者の方からお電話が。

「あの、共用玄関の電気が自分のとこだけ消えないのですが！？」

「共用部の電気のスイッチが複数あり、組み合わせで消え・・・」

「消えないんです！うちの電気代高くなるでしょ！消して！」

「・・・共用部の電気代は、大家さんが支払っているので、お客様

　の電気代には影響しませんよ？」

「あっそ、じゃあ、いいわ。」

物価も燃料費もあがりまくりの昨今、気になるお気持ちは分かりますが、故障や不具合でもなく自分が気になるからという理由でご連絡をいただくことがあります・・・管理会社も何でも対応するわけではありません。

最近では敷金清算についても明文化されたこともあり、契約書の中や資料として「貸主・借主の修繕分担表」というものがあります。そこには箇所毎に場面分けされて、Aが起きたら、貸主、Bが起きたら借主のように分かりやすく書いてあります。

前述の電気は、共用部でなく、自身の部屋の場合、電球・蛍光灯・ヒューズ・LED照明の取り替えについては、借主の範疇です。

漏電などして危険なのにも関わらず、対応して貰えないという場合には、借主で対応し、貸主に請求することが出来ます。この際に注意なのは、貸主が対応しない状態次第では、代わりに対応しても費用を支払っていただけないケースがありますので、代替対応する場合でも後々にトラブルにならないような連絡、記録を残しておくことが重要です。

関連して、明文化されたといえば、「一部滅失等による賃料の減額等」です。例えば、上の階からの漏水などで、部屋の一部又は全部が使えない状態になり、それが長期に及ぶ場合。借りている部屋が全部使える状態で決まった賃料を払っているのだから、例えば部屋の半分が使えない場合には賃料をその期間、半額にして欲しいと言える借主の権利です。

賃料減額だけではなく、他の手段も協議可能です。

先日、これに該当するケースにて知人の相談を受けました。大雨による浸水が原因で建物の一部が使えなくなり、修繕はしていただけるが、修繕の工事の影響が大きく、建物の使用に影響が出るので、どうしたら良いかというものでした。

今回の契約条項の説明をし、貸主と話し合いをとのアドバイスはしたのですが、その際に注意したのが、賃料について。知人は貸主の対応に不満があり、協議が不調の間は賃料を支払わなくてもよいかと聞かれましたが、これは危険です。賃料を払っているからこそ、貸主・借主の関係で交渉が出来るので、貸主からその提案があれば別ですが、自己都合で賃料を支払わなかった場合には、前提の賃貸契約の当事者関係に支障が出て、最悪解除条項に該当し、契約を解除されることがあります。気持ちは分からなくもないですが、きちんと賃料は払った状態で、冷静に被害等や交渉について記録を残して、どうしても協議が整わない場合にはその記録をもって管理会社、管理会社がダメであれば不動産協会に相談してみたり、最後の手段は弁護士さんに依頼する方法をとるしかないかもしれません。

先日、ドアノブが取れそうなので交換して欲しいと言われて、現場確認に行った際の写真。古いタイプで、ネジの緩みかなと思ったのですが、このタイプ・・・どうやって取るんだ！？と思うのですが、ノブの先の芯？の部分に若干の穴が開いており、そこをロックするとドアノブが外れて、大元のドアにくっついている台座の部分が見えるようになります。そこのネジを締めれば、あら不思議。元通りになりました。